色は光の3原色といわれる赤、緑、青の組み合わせで作られています。
色を感じる視細胞は、赤、緑、青にそれぞれ敏感な3種類のタイプがあります。
色覚異常は、このうちのどれかに異常があるために起こります。
先天色覚異常
先天色覚異常とは
原因は遺伝的なもので両眼性です。進行はしません。
色覚異常の遺伝子はX染色体にあり、劣性遺伝です。
女性の場合X染色体が2個あるので、両方に色覚異常の遺伝子がある場合に発症し、
1個のみ色覚異常の遺伝子がある場合は発症しません。(保因者となります)
一方、男性はXY染色体であり、X染色体は1個のみであるので、
その染色体に色覚異常の遺伝子があれば発症します。
日本では男子の人口約4%に、女子では約0.4%に色覚異常がいると言われています。
分類
2色型色覚(色盲)
視細胞3種類のうち一つが欠けている場合をいいます。
赤を感じる視細胞がない場合は第1色盲、
緑を感じる視細胞がない場合は第2色盲と言います。
異常3色型色覚(色弱)
視細胞3種類のうち、どれかの機能が低下している場合をいいます。
赤を感じる視細胞の感度が低い場合は第1色弱、
緑を感じる視細胞の感度が低い場合は第2色弱と言います。
その他
第3色覚異常、1色型色覚(全色盲)などありますが稀です。
その他
学校での検査
一般的に石原式色覚検査表を用いてスクリーニング検査を行います。
もし、異常が指摘された場合は眼科で検査が必要です。
進学と就職
現在では、進学時に色覚について問われることはほとんどなくなっています。
しかし、自衛隊・航空・消防・警察など、主に人命や輸送に関わる場合、
一部の学校では入学時に制限されることがあります。
就職に関しても、微妙な色の識別が必要な職種など では就けないことがありますので
注意が必要です。
自分の色覚について知っておこう
色覚異常の方は、色の区別が付きにくかったり違う色に見えたりしており、
独自の色の世界を持っています。
ですから、全く色がわからないわけではないので本人も家族も気付きにくいのです。
しかしそれによって、例えば本人の進路が固まった後、
もしそれが正常な色覚を必要とする職業であれば
断念せざるを得ない状況になるかもしれませんし、
又、色覚の誤認により学校等で他人に指摘され、トラブルに発展する場合もあり得ます。
そのためには、小学生の頃から自分の色覚について何を混同しやすいか等把握しておき、
個性として理解していくことが大切だと言えます。