網膜といって、カメラでいうフィルムに当たるところがあります。
その網膜の中心部を黄斑といい、物を見るため重要な部分になります。
その黄斑部に障害が起こる疾患です。 欧米では失明原因の第一位とされています。
黄斑部に白い斑点のドルーゼンが見られます。
これは、網膜下に貯まった老廃物のようなもので、加齢黄斑変性症の前駆病変として重要視されています。
加齢黄斑変性症の症状
線がゆがんで見える
見ようとする中心が暗い、ゆがむ
視力が低下する
加齢黄斑変性症の分類
萎縮型の加齢黄斑変性症
網膜細胞が加齢とともに変性し、網膜が徐々に萎縮していきます。
症状の進行はゆっくりで急激な視力低下はありませんが、
滲出型に移行する場合もあります。
残念ながら、現在萎縮型加齢黄斑変性に効くお薬はありません。
滲出型の加齢黄斑変性症
黄斑部に脈絡膜新生血管が生じ、視力低下の原因になります。
非常にもろい異常な血管のため出血や
血液成分が漏れ出し黄斑浮腫や網膜剥離を引き起こします。
加齢黄斑変性症の治療
滲出型の黄斑変性症に対する治療です。
抗VEGF薬療法
脈絡膜新生血管の増殖を抑え、消退させるお薬(抗VEGF薬)を眼内に注射します。
加齢黄斑変性症のスタンダード治療ですが、
1回のみの注射では治らず複数回の注射(初回は3か月毎連続投与)が必要です。
自己負担が高額になりますので、患者様によっては高額医療制度を利用することもあります。
網膜光凝固術
脈絡膜新生血管をレーザーで焼灼します。
これは黄斑部から新生血管が離れている時のみ行います。
早期発見するために
日々のセルフチェックが重要です。
片目に起こった時は気づかない事もあります。
片目を隠して、カレンダーのような碁盤の目のものを見て、
線がゆがんだり暗くなってり部分がないか確認します。
下記のアムスラーチャートが入手しやすく使いやすいのでおすすめです。
加齢黄斑変性症の予防
<アムスラーチャート>
パソコン上目の高さにして実際に行ってみて下さい。
30cm離れ、片目ずつ中心の黒点を見つめます
<予防策>
- 禁煙…喫煙は最大の危険因子
- 紫外線から目を守る
- バランスよい食事
- サプリメント